目の病気と治療
斜視
FUJIMOTO OPHTHALMOLOGY
視機能が正常な人では、一つの目標を見るとき、両眼の視線はそれぞれ同じ方向を向いています。
もし一方の眼が正面を見ているのに他方の眼が正面とは違う方向を向いていれば、それを斜視と云います。
内側に向いていれば内斜視、外側なら外斜視です。
斜視では視線のずれが生じているため、モノが二つに見えます(複視)。
ただし複視を避けようとする反応を起こし、頭を傾けたり、顔を回したり、顎を上下してモノを見ようとしますし、視覚発達段階の小児では一方の眼に写る映像を脳が見えないようにする反応(抑制)が自然と起こります。
抑制が起これば、モノを両眼で見る能力(両眼視機能)が発揮できません。
この場合、遠近感覚やモノを立体的に見る能力が不十分なため、例えば、飛んできたボールを認識する能力に欠けて球技がうまくできない、遠近感覚が採用項目にある自動車の職業運転手や航空機の乗務員になれないなどの問題がありますが、日常生活では患者さんはあまり困っていないようです。