コンタクトレンズ
円錐角膜とは角膜の中央が尖ってきて、近視や乱視が年齢とともに強くなってくる病気です。
思春期~青年期から出現し、特に乱視が進行します。
軽度ならメガネや従来のソフトコンタクトレンズで矯正できますが、中等度以上の不正な角膜乱視に対処できるのはハードコンタクトレンズ(HCL)のみでした。
一般に普及している球面HCLは中等度以上の円錐角膜にも満足な視力を供給しますが、進行した円錐角膜上では安定性が悪くて外れやすく、さらに尖った角膜頂点部とHCL後面による過度のこすれから角膜上皮障害が発生して、強い異物感や痛みのために長時間の装用が困難になります。この上皮障害は長期的には角膜白斑や瘢痕になります。
このような進行した円錐角膜に対応したコンタクトレンズが開発されました。
多段カーブのHCLです。さらに近年、コンタクトレンズの素材やデザイン、切削技術の著しい進歩により、円錐角膜のような不正乱視にも対応し、HCLとは異なった、以下のような特殊なコンタクトレンズが新たに開発されています。
進行した円錐角膜に対応した多段カーブのハードコンタクトレンズ(メニコンローズK2®、メニコンローズK2 IC®)
円錐角膜に対応可能なソフトコンタクトレンズ(ユーソフト®)
重度の円錐角膜用ソフトコンタクトレンズ(ケラソフト®)
進行した円錐角膜に対しても、多段カーブのHCLを装用すれば、レンズの安定性も向上し、尖った角膜頂点部とHCL後面の過度のこすれが軽減するため、装用感も良くなり、結果として装用時間も延長できるようになります。デメリットとして、球面HCLよりもコンタクトレンズでの矯正視力が劣ることと、球面HCLより高価なことです。
球面HCLを装用できない方には、当院では多段カーブのHCLとして、円錐角膜に幅広く対応したメニコンローズK2®、ペルーシド角膜変性症にも対応したメニコンローズK2 IC®を扱っております。
円錐角膜をはじめ不正乱視(ペルーシド角膜辺縁変性、屈折矯正術後、角膜移植後、角膜損傷などによる乱視)に広く対応できるカスタムメイドのソフトコンタクトレンズ(ユーソフト®およびケラソフト®)が開発されました。これらはハードコンタクトレンズ(HCL)に近い視力を得られながら、ソフトコンタクトレンズの優しい装用感という特徴があります。
費用
※片眼 ¥30,000(税別)、両眼 ¥60,000(税別)に加えて、保険診療費が必要です。
保証期間は処方日から1年間で、処方交換1回あるいは破損交換1回が片眼につき無料になります。
処方日から1年以上経過しますと、処方・破損・紛失すべて1枚¥30,000(税別)を要します。ユーソフト®のレンズ代金はカード払いが可能です。
治療費
※片眼 ¥50,000(税別)、両眼 ¥100,000(税別) 上記はケラソフト®の処方日、受け取り日の検査代・診察代を含みます。
保証期間は処方日から3ヶ月間で、処方交換・破損交換ともに片眼につき2回まで無料ですが、紛失の場合は1枚 ¥35,000(税別)となります。
処方日から3ヶ月以降の場合、紛失のように度数調整を要しないなら1枚¥35,000(税別)でお渡ししますが、度数変更で処方交換が必要になった場合は ※と同じ金額になります。
どのレンズも当院で取り扱っております。
ご希望の方はお電話いただき、予約制にて行っております。
すべてのレンズが受注生産ですので、処方後のレンズ到着に2~3週間要することをご了承ください。
※注意事項
コンタクトレンズ装用者の場合、ハードコンタクトレンズならケラソフト®およびユーソフト®を処方する2週間以上前まで未装用であること、
ソフトコンタクトレンズなら1週間以上前まで未装用であることが必要です。
ユーソフト® | ケラソフト® (※当院では現在取り扱いを中止しております) |
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メーカー | トーメーコンタクト | ウルトラビジョン社(UK) |
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厚労省認可 | 承認済み | 未承認(CEマーク) |
保険診療 | 〇 | ×(自由診療のみ) |
高度の角膜不正乱視 | 対応不可 | 対応可 |
費用 | 片眼 ¥30,000 両眼 ¥60,000 + 保険診療 |
片眼 ¥50,000 両眼 ¥100,000 (検査代・診察代を含む) |
保証 | 処方日から1年以内の 処方・破損交換は1回まで無料 |
処方日から3ヶ月以内の 処方・破損交換は2回まで無料 |
レンズ代 (紛失時) | 片眼 ¥30,000 | 片眼 ¥35,000 |