手術の初めに、瞼の裏側と瞼の皮下に注射をします。
この注射以外はほとんど痛みがありません。
また、術直後は瞼縁が陥凹しますが、眼瞼は組織の修復力が良好なため、数ヶ月で目立たなくなります。
視診や問診から良性腫瘍と判断した上で切除を行いますが、悪性腫瘍でないことを確定するために、切除した組織は病理検査に提出します。
眼瞼皮膚弛緩症は、老化により上眼瞼の皮膚および眼輪筋が弛緩した状態をいいます。
皮膚弛緩が進行すると、上方より皮膚が睫毛を圧迫するため、重圧感を自覚し、上方視野を妨げます。その代償として、眉毛を上げて目を大きく開こうとするため、前頭後頭筋が収縮します。この筋の収縮が持続すると、頭痛や肩こりを生じるようになります。
手術の目的は、皮膚弛緩による重圧感から解放し、妨げられた上方の視野を回復させることです。
また、眼瞼は人の容貌を左右する重要な部位であるため、整容面でも不自然でないような手術を心掛けております。ただ、容貌に対する審美基準は各人全く異なり、整容面での改善に高くて繊細な要求をされる場合は、ご要望に沿えないことをご了承ください。
手術は局所麻酔下で、弛緩した余分な皮膚・眼輪筋を切除します。
眼瞼の膨らみも原因になる症例では眼窩脂肪の一部を切除することがあります(眼窩脂肪切除)。
1) | 眼瞼の腫れ | ほぼ全症例で起こり、二日目が最も腫れます。 術後5日目頃から軽減し、2週間ほどでほぼ消失します。 |
2) | 皮下出血 | 程度によりますが、2~3週間ほどで消失します。 術後2~3日してから、重力の関係で頬部まで皮下出血斑が広がることがありますが、心配いりません。 |
3) | 縫合線 | 赤みは徐々に薄くなり、半年ほどで消失しますが、縫合線の瘢痕は残ります。 |
4) | 皮膚の知覚鈍麻 | 縫合線から睫毛にかけて知覚神経が一時切断されることにより起こりますが、3ヶ月ほどで正常に戻ります。 |
1) | 血腫 | 瞼が開かないほど上眼瞼が極度に腫れて、皮下出血斑を伴った血腫が生じることが稀にあります。特に、抗凝固薬の内服や人工透析を受けている場合は起こる可能性が高いです。 放置すると眼瞼が硬くなり、重度の場合は開瞼不全を引き起こしますので、直ちに抜糸のうえ除去が必要になります。 |
2) | 三重瞼 | 術後1~2週間に一時的に起こることがありますが、多くは自然に消退します。 稀に持続する場合には、術後1ヶ月位に修正手術を行います。 |
3) | 抜糸後に創部が開く | 無理な力が加わった時に起こることがあります。 再縫合しなければなりません。 |
4) | 皮膚の瘢痕 | ケロイド体質の方に起こりやすいです。内服を処方し、瘢痕化を軽減させますが、目立つようであれば形成手術が必要になります。 |
5) | 埋没縫合糸による硬結・感染 | 切開して縫合糸を摘出しなければならないこともあります。 |
眼瞼下垂とは、何らかの病因で上眼瞼を挙げるのが困難になり、開瞼しても正常の位置より下がっている状態をいいます。
眼瞼下垂には先天性と後天性のものがあります。
先天性は病因が単一で、出生時から下垂があり、進行しません。
一方、後天性は様々な病因で起こりますが、最も多いのが眼瞼を挙げる挙筋腱膜の瞼板からの断裂です。
その原因として最も多いのが加齢性で、他には白内障術後、ハードコンタクトレンズの長期装用などがあります。
加齢性では両側性で眼瞼皮膚弛緩症を合併していることが多く、下垂の症状をさらに悪化させてしまいます。
その代償として、眉毛を上げて目を大きく開こうとしますが、この時、後頭部から頭頂部を通って眉毛部に至る前頭後頭筋が収縮します。この筋の収縮状態が持続すると、頭痛や肩こりを生じるようになります。
眼瞼下垂手術の目的は、開瞼が楽にでき、下垂によって狭くなった視野を回復させることです。
また、眼瞼は人の容貌を左右する重要な部位であるため、整容面でも不自然でないような手術を心掛けております。
ただ、容貌に対する審美基準は各人全く異なり、整容面での改善に高くて繊細な要求をされる場合は、ご要望に沿えないことをご了承ください。
手術は局所麻酔下で行います。主として、断裂した挙筋腱膜を前転して瞼板に縫合する眼瞼挙筋前転術を行います。
必要に応じて、弛緩した皮膚を切除したり(皮膚切除)、眼瞼の膨らみも原因になる症例では眼窩脂肪の一部を切除することがあります(眼窩脂肪切除)。
1)〜4)は眼瞼皮膚弛緩症の術後に起こる症状・所見と同じです。
1) | 眼瞼の腫れ | ほぼ全症例で起こり、二日目が最も腫れます。 術後5日目頃から軽減し、2週間ほどでほぼ消失します。 |
2) | 皮下出血 | 程度によりますが、2~3週間ほどで消失します。 術後2~3日してから、重力の関係で頬部まで皮下出血斑が広がることがありますが、心配いりません。 |
3) | 縫合線 | 赤みは徐々に薄くなり、半年ほどで消失しますが、縫合線の瘢痕は残ります。 |
4) | 皮膚の知覚鈍麻 | 縫合線から睫毛にかけて知覚神経が一時切断されることにより起こりますが、3ヶ月ほどで正常に戻ります。 |
5) | 閉瞼不全 | 下垂の程度が強いほど、正常な位置まで開瞼できるためには吊り上げる幅を大きくする必要があり、術後しばらくの間、瞼が閉じにくくなります。睡眠中は目が乾燥しやすいため、必要に応じて角膜を保護する点眼薬を使用します。 |
術後合併症は「眼瞼皮膚弛緩症」の術後に起こるのと同じです。
1) | 血腫 | 瞼が開かないほど上眼瞼が極度に腫れて、皮下出血斑を伴った血腫が生じることが稀にあります。特に、抗凝固薬の内服や人工透析を受けている場合は起こる可能性が高いです。 放置すると眼瞼が硬くなり、重度の場合は開瞼不全を引き起こしますので、直ちに抜糸のうえ除去が必要になります。 |
2) | 三重瞼 | 術後1~2週間に一時的に起こることがありますが、多くは自然に消退します。 稀に持続する場合には、術後1ヶ月位に修正手術を行います。 |
3) | 抜糸後に創部が開く | 無理な力が加わった時に起こることがあります。 再縫合しなければなりません。 |
4) | 皮膚の瘢痕 | ケロイド体質の方に起こりやすいです。内服を処方し、瘢痕化を軽減させますが、目立つようであれば形成手術が必要になります。 |
5) | 埋没縫合糸による硬結・感染 | 切開して縫合糸を摘出しなければならないこともあります。 |
大仏様の目は半眼ですし、手術で瞼が開くと、時にはきつくなった印象を受ける方もいらっしゃいますが、次第に見慣れてくるものです。
眼瞼挙筋の吊り上げる力にも左右差があるので、軽度なら様子を見ます。
二重瞼の幅に影響を与える、瞼の下垂、額の緊張、皮膚の弛緩は、手術後に大きく変化するため、手術前にできる限り左右対称の重瞼をデザインして手術をしても、術後の重瞼幅に左右差が生じます。