オルソケラトロジーは予約制となっております。
まずは
お電話(0798-37-0808)
にてご予約ください。
適応検査とカウンセリング
オルソケラトロジーは、裸眼で不便なく日常生活を過ごしたい、近視の進行を抑えたい、あるいはこれら両方を叶えたいという希望を叶える治療法です。
これらの希望が叶えられるかどうか、つまりオルソケラトロジーの適応かどうかを判断するために、屈折検査と角膜形状解析を行います。ただし眼の病気がある場合は、検査をする前にその病気を治療しなければなりません。
オルソケラトロジーが非適応な症例として、上眼瞼の形成手術後、角膜中央から外れた部位が突出(円錐角膜)、角膜が極端に平坦(手術などで)、コンタクトレンズや装着液にアレルギー反応を起こす、あるいは涙が極端に少ないなどがあります。
また、強度の近視の場合は、完全には矯正できずに幾らか近視が残存し、裸眼では満足のいく視力まで至らない心配があります。ただし近視の進行を抑えることが治療の主な目的なら、裸眼にこだわらずに残った近視を眼鏡で補う方法がありますので、医師にご相談ください。
ここまでの適応検査およびカウンセリングの費用として、5,500円(税込)をお支払いいただきます。
装用テスト
適応検査からオルソケラトロジーの適応があり、かつ治療を希望されるなら、最適なフィッティングのレンズを15分間ほど装用し、フィッティングの確認と装用感を体験していただきます。レンズ装用に抵抗なく、治療を引き続きご希望であれば、指定日からレンズ装用を開始していただくために、レンズの装着脱練習を保護者の方とともに行います。
装用テストおよび装着脱練習の費用として、5,500円(税込)をお支払いいただきます。
治療期間中は一定時間以上の連続したレンズ装用が好ましいので、何らかの理由(仕事・試験勉強など)で徹夜や不規則な睡眠が続く時期には治療開始を避けるべきです。
矯正期間1(治療開始翌日~1ヶ月目)
レンズの装用を開始した翌日にご来院いただき、治療の効果と合併症の有無をチェックします。
治療当初は効果時間が短く、すぐに遠くが見えにくくなるため、車の運転は控えてください。 予定来院日は翌日、1週間目、1ヶ月目ですが、視力が出にくい場合などは予定日以外でも来院していただくことがあります。
朝から就寝まで安定してよく見えるようになるには、治療開始後から通常1〜2週間かかります。
通常1ヶ月までに睡眠時間が短い日があっても視力が安定しますが、1ヶ月目でも視力が悪い場合はレンズを交換することがあります。
矯正期間2(治療1ヶ月目~3ヶ月目)
裸眼視力が目標の1.0以上にまで達し、角膜の形状が無理なく安定していることを検査します。
レンズの就寝時装用は毎日必要です。
裸眼視力の維持(3ヶ月目以降)
3ヶ月〜4ヶ月毎に視力、角膜の形状、および眼軸長を検査します。
裸眼視力が低下している場合、オルソレンズに問題がないか、角膜に問題がないか、近視の進行がないかを精査します。
コンタクトレンズによって起こりうる深刻な合併症は細菌やアカントアメーバによる角膜感染症です。
オルソケラトロジーによる角膜感染症はソフトコンタクトレンズよりもかなり少なく、ハードコンタクトレンズよりやや多い程度です。
ただし強い近視をオルソケラトロジーによって矯正する場合は以下の理由から注意が必要です。
オルソケラトロジーの原理は、特殊なハードコンタクトレンズを装用することで、角膜中央の上皮細胞層を周辺へと徐々にスライドさせ、角膜中央をやや平らにします。軽い近視を矯正するなら、角膜上皮細胞層のスライドは少しで済むのですが、強い近視だと、角膜上皮細胞層をたくさんスライドしなければならないため、どうしても角膜上皮細胞に障害が起こりやすくなり、角膜感染症を起こしやすくなります。
年齢制限はありませんが、若い方ほど強い近視でも矯正できることがあります。また、近視は年齢が若いほど進行しやすいため、なるべく軽い近視から、かつ低年齢(小学生低学年が多い)から始めることをお勧めします。
オルソケラトロジーを行う場合、前方に突出気味の角膜をより平坦化させることは容易ですが、元々平らな角膜をさらに平坦化させることは困難です。
オルソケラトロジーの近視矯正効果は角膜中央が平坦化するほど高くなりますので、近視が強くてもオルソケラトロジーで治療可能なことがある一方、近視が軽くてもオルソケラトロジーで治療できないこともあります。
一般的には、
軽度〜中程度の近視(-1.00~-4.50ディオプター(D) 以内)に効果があります。
また以前は軽度の乱視(1.5D程度まで)にしか対応できなかったのですが、最近では強い乱視にも対応したレンズが開発され、当院でもアメリカ製で扱いがあります。
強い近視(視力でいえば0.1未満)に対しては、強い近視を矯正するほど不正な乱視が生じて悪化するケースが多くなり、視力は改善しても「メガネ・コンタクトレンズが不要になる」という水準まで向上する確率は低くなります。
以上の理由により、強い近視の方には当院ではオルソケラトロジーをお勧めしておりません。
それでも強い近視(-4.50~-8.00Dまで)の方が治療を希望される場合、 不正乱視の出現と悪化を理解していただき、近視改善をある程度犠牲にしても(視力1.0を目指すのではなく、0.4~0.5など)、不正乱視を最小限に抑えながらの視力の改善を目指した治療を行います。
そのためには、段階的に何回かレンズの交換が必要なこともあり、矯正に期間を要します。
オルソケラトロジーに低濃度アトロピン点眼を併用すると、近視の進行はさらに抑制されます。
低濃度アトロピン点眼を併用する場合、近視進行の抑制効果は、弱い近視(ー1.0D〜ー3.0D)にはさらに高まりますが、中等度の近視(ー3.0D〜ー6.0D)にはオルソケラトロジー単独とあまり変わらないと報告がありました。
お子様の近視の進行をなるべく抑えたいと希望されるなら、お子様の近視が弱い段階では低濃度アトロピン点眼の併用をお勧めします。
全体的な傾向として、近視は7~9歳には急激に進行し、12~15歳には進行が緩やかになり、16~18歳ぐらいで停止するため、オルソケラトロジーは高校生から大学生ぐらいまで続けることをお勧めします。
個々の症例に対しては、当院では眼軸長を測定し「Axial Manager」で解析することで、今後の進行の予測をお伝えしております。
ただ、オルソケラトロジーをされている方にお聞きしますと、コンタクトレンズや眼鏡を装用せずに、裸眼で日中を過ごせるということは非常に快適であるため、オルソの着け外しに完全に慣れてしまえば、あえてオルソを止める理由はありません。
自然学校などでお泊りが数日続く場合、ご本人でオルソレンズの装脱着ができないと日ごとに見えにくくなります。
過矯正にならない度数のメガネを当院でお渡しして持参してもらいますが、はっきりとは見えないのは致し方ないとご了承ください。
レンズの装脱着が可能な年齢なら、当院で責任を持って指導いたします。