目の病気と治療
霰粒腫
FUJIMOTO OPHTHALMOLOGY
瞼に硬い「しこり」を触れることはないですか?その「しこり」が痛みや皮膚の赤みを伴わずに皮膚との癒着が弱いなら、霰粒腫(写真)と考えます。
上下の瞼には瞼板という硬い板があり、この中にマイボーム腺という脂質を分泌する腺が瞼縁に開口部を置いて縦方向に多数並んでいます。
霰粒腫とは脂質がマイボーム腺の開口部から正常に排出されずに周囲の組織に漏れ出して、異物反応が生じ、炎症が起こって出来た「しこり」です。
霰粒腫が瞼板内に留まっている場合には小さくなることが期待できますので、しばらく放置をして様子をみることができます。
霰粒腫が大きくなりすぎて異物感を感じる、あるいは見た目が気になる場合、手術を考えてもいいでしょう。
成人には麻酔の注射をしてから瞼の裏側より切開して小さい匙で掻き出しますが(霰粒腫摘出術)、小児には麻酔自体が強い痛みを伴うため、全身麻酔下で手術せざるをえないこともあります。
ただし全身麻酔の合併症も心配になるので、手術せずに眼軟膏の塗布にて保存的に経過を見ることが多いです。
手術をせずに放置する場合、霰粒腫が瞼板を突き破りさらに瞼の皮膚までただれることがあり、しばらく痕を残しますが、数ヶ月から1年で目立たなくなります。