目の病気と治療
結膜弛緩症
FUJIMOTO OPHTHALMOLOGY
ご年配の方で、目がくしゃくしゃするという訴えがあり、さらに目が乾く、涙が多いという相反する症状がある場合、「結膜弛緩症」(写真)かもしれません。
結膜弛緩症とは、涙が溜まるべき上下の瞼の縁に涙が貯留する代わりに、加齢により弛緩した結膜がそのスペースを占拠する病態です。
涙は瞼の縁に溜まることができないため目が乾き(ドライアイ)、目の外、特に目尻や目頭に流れてしまうので涙が多いと感じます。
弛緩した結膜は、瞬きをする毎に瞼と眼の間に挟まって機械的な刺激を受けますので、炎症が起こることがあり、充血します。
治療はドライアイに対して点眼を処方します。点眼治療にて症状が改善しない場合、弛緩した結膜の余剰分を減らす手術しか有効な治療法がありません。
手術には余剰分の結膜を、
(1)の凝固術の場合、余剰分の結膜を摘んで、凝固して短縮することを数回繰り返します。
(2)の縫合術の場合、余剰分の結膜を角膜から離れた方向に手繰り寄せて強膜に縫い着けます。
(3)の切除術の場合、余剰分の結膜を切除して残った結膜を縫合します。