また打撲により、眼球内面に占める網膜の一部が腫れることがあり(網膜振盪症)、視力に最も関係する黄斑が腫れると視力は一時的に低下しますが、通常は1~2週間で回復します。
ただし網膜出血を伴うほどの重症であれば網膜が壊死していることが多く、壊死した網膜の一部に孔が開くと、放っておけば網膜剥離へと進展します。
眼球を収納している頭蓋骨の窪みを眼窩といいます。
眼窩を構成する骨は薄いため、打撲により容易に骨折します(眼窩底骨折)。
骨折した部位に眼窩内の軟部組織が噛んでしまうと、複視や眼球運動痛、悪心、嘔吐が生じ、放置すれば噛まれた組織が壊死して眼球運動障害を残すため、緊急手術が必要です。