眼のかゆみを主症状として、涙、水っぽい目ヤニ、異物感があり、同時に白目の充血が見られれば、アレルギー性結膜炎かもしれません。
春頃に同時にくしゃみ、鼻水などの鼻症状があれば、花粉症と考えます。
アレルギー性結膜炎とは、花粉やハウスダストに代表される抗原が結膜に接触した際、本来無害であるはずの抗原を排除しようとする免疫反応が結膜に炎症が生じるほど過剰に起こってしまうものです。
アレルギー性結膜炎を治すには、接触しても反応が起こらないような体質に改善する、あるいは抗原との接触を回避することです。
スギ花粉に対する体質改善には近年、舌下免疫療法が有効で安全性が高いため、2018年からは適応年齢が5歳以上になりました。
花粉との接触を回避するには、メガネを装用すること、防腐剤無添加の人工涙液にて洗眼することなどがありますが、抗原から完全に回避するのは難しいです。
かゆみなどの症状を抑える薬物治療は残念ながら原因治療でなく対症療法ですが、実施しやすく現実的です。
薬物治療には抗アレルギー点眼とステロイド点眼が使われますが、抗アレルギー点眼と比べてステロイド点眼は抗アレルギー作用が強く即効性があります。
抗アレルギー点眼は安全性が高く継続投与が可能ですが、ステロイド点眼は眼圧上昇という副作用があり、特に小児では高い頻度で眼圧が上昇するため、眼圧を測定できないなら継続した点眼はできません。
花粉症の始まる2週間程前から予防的に抗アレルギー点眼を投与すると、花粉症が発症しにくく、発症しても軽症なため、ステロイド点眼の投与量も少なくて済みます。
ただし薬物治療はあくまでも対症療法ですので、かゆみや充血などの症状が無ければ、予防目的以外にあまり必要はありません。
注意すべきこととして、花粉を洗い流す涙が少ないドライアイやコンタクトレンズ装用者では、花粉が結膜やコンタクトレンズに長くとどまり、微量の花粉でもアレルギー反応が起こりやすくなります。